■小樽車物語 続編その1

僕の名前は 勝内太。 

この物語の主人公さ

きっと読者の皆さんは、前回までの話で仲良くなった彼女とは、その後どうなったかってところが一番気になってるんでしょうね。

えぇ 変わらずに仲良く付き合ってますよ。

元々が彼女の家族を交えて始まったつきあいだったし、今ではホタテマンパパが車いじりするときには 僕は無くてはならない手伝い手になってます。

( 無くてはならない 奴隷ともいう・・・:笑 )



それに彼女の母親は料理が上手.。

もしも彼女と別れることがあっても 彼女の母親とは別れたくないもんだなぁ・・・と訳のわからない考えまで湧いてくるほどに その味は格別に美味しぃ♪

そんな母親は ホタテマンパパが不在のときに
「 勝内くん 今なにしてる? 」と携帯メールを打ってくることがよくあります。

これは
「 ちょっとスーパーマーケットまで買出しへいきたいから 足になってちょ♪ 」という意味であって 
” 熟女女性との秘密のいけない関係 ”
” 娘と母親の親子どんぶりLOVE ”
的な意味合いは勿論含まれていない。

僕は手があいている限り
「 元気に暇しています。買出しとかあるなら手伝いますよ 」などと返信するようにしていた。

近所の奥様仲間からは
「 うちの息子なんて二人だけで歩いてさえくれないってのに、一緒に買出しへ連れていってくれるなんて羨ましいわぁ 」と声をかけられることがあるらしいのだ。

これがちょっとしたママさんの楽しみになっているらしい。




ママさんの買出しへ付き合うと 決まって帰りにはキャラメルを買ってもらえた。 

いわゆるお駄賃という奴だろう。

お駄賃がキャラメルだなんて・・・ おいおい子供か 俺は
 (^^;)

だけれど買出しから戻る途中で頬張るお駄賃の味は また格別に旨い。 


バンビキャラメルは やはり最高だ♪ 


    
(小樽に本拠のあったメーカーのキャラメル。倒産しちゃったのが残念)




っとまぁ すでに娘の彼氏というポジションを飛び越えて
 「 婿どの 」の様相を呈している状態です。

っといったわけで 僕は、彼女のことは勿論、彼女の家族も大好きだ。 

初めて彼女の家を訪ねたときに感じた緊張など 今となっては良い想い出・・・。

いつまでもこんな関係が続くといいなぁと思える。





実は今日の午後も彼女たちと過ごすことになっていた。

残念ながら彼女の母親は 小樽の街を清掃するボランティア
「 街をきれいにし隊 」のメンバーであり、今日も清掃ボランティアへでるために出かけるのだという。


( ※
”街をきれいにし隊”というボランティア団代が小樽には本当にあるらしいっす みんなポイ捨てしちゃ駄目だぞ )


僕らは玄関先で愛車のロードスター達の洗車作業をしながら母親を見送った。


ママさん:

「じゃあ 行ってくるわね ドライブ気をつけるのよ」



一同:
「いってらっしゃ〜い♪」


手を振って見送る ホタテマンパパ ・ 彼女 ・ 婿どの状態の男 の三人。

とおりを曲がり母親の姿が見えなくなったのを確かめてホタテマンパパがつぶやいた。


ホタテマンパパ:

「 行ったな 」



僕:

「 行かれましたね 」


桜ちゃん:

「 行ったわ 」



三人が互いの顔を見合わせる。


三人:  むふふふふふ♪


最初に口を開いたのは彼女だ。


桜ちゃん:
「 さぁ 忙しくなるわよ 今日はお母さんの誕生日。みんなでプレゼント用意するんだから さっさと支度して 」


僕:
「 はぁ〜い 」


パパさん:
「 ってゆうか支度できてねぇの お前だけだろうぉが 」


桜ちゃん:
「 ちょ ちょ ちょっとまってよ まだ化粧済んでないんだからぁ どこでイケ面男性に逢うか判らないじゃないのぉ 」


そう 言い捨てて彼女は自分の化粧を仕上げるべく自宅の中へと消えていった。


パパさん:

「 なぁ 俺はともなく 今の口調だとお前のこともイケ面男性とは考えてないってことにならねぇか? 」



僕:
「 そういう感じでしたよね(苦笑) 」


パパさん:

「 ・・・・・・
( まったくうちの娘ときたら・・・ ) ふつつかな娘ですが どうか今後ともよろしくお願いいたします ( 目がマジです ) 」


僕:
「 いやはや お父さん そんな そんな こちらこそよろしくお願いいたします( ぺこぺこ ) 」



そんな半分冗談 半分マジトークなご挨拶を男どもが交わしていると ほどなくして彼女も身支度を終えて出てきた。

今日の彼女の服装は 
白のワンピースお嬢様風。

丈の短いスカートから伸びるキャシャで色白な脚が激しく
まぶしい・・・。


ええとぉ・・・・ なんというか そのぉ・・・・・・ 
もろに好みのタイプです。

きっと目の前にホタテマンパパが居なかったら いきなり襲い掛かったと思います。

勿論 襲い掛かるというのはジョークだけれど それくらいに魅力的に見えていたのは事実。

彼女の姿に一瞬みとれてしまった自分を感づかれてしまったのでは・・・とホタテマンパパの方へと視線を向ける僕。

すると そこには 目を細めて自分の娘をみているホタテの姿が・・・。


ホタテ:
「 おれの娘 綺麗だろぉ 半分俺の精●で出来てるとは思うまい。 むははは お前には悪いが一生嫁には出さないことに決めたぜ 」


桜ちゃん:

「 ちょっと何勝手なこと言ってんのよ 馬鹿なこと話してないで出掛けるわよ もう 」



・・・っとまぁ いつもこんな感じに楽しくやってます。 






僕らは互いの車へと乗り込んだ。

本日目的の場所は 
小樽天狗山


     


麓にあるガラス工房へとむかうことになっていた。

僕の車の助手席に納まっている彼女が話し掛けてくる。


桜ちゃん:
「今日は みんなでガラス工房へいくのよ。そこでオリジナルのグラス製作をするの。三人が思い思いのデザインのグラスを作ってお母さんへプレゼントするって作戦よ。超素敵じゃないこれぇ♪」


別に彼女に言われたからってわけじゃないけれど 僕もこれは素敵だろうなって思えた。

誰かのために手作りで用意したプレゼントを渡す・・・・暫くやってないなぁそんなこと。



プッ プッ プッゥ〜♪

不意に後ろにいるホタテマンパパ号のクラクションが鳴る。


バックミラー越しに後ろのパパをみると

   「 いちゃついてねぇ〜で早く出発しろ(笑) 」

                                という表情が見える。


僕はちょっと照れながらロードスターを発進させた。

今日も楽しい一日になりますように・・・・

僕の想いをのせた右足がアクセルを静かに踏み込んでゆく。







彼女の自宅から天狗山の麓まではさほどの距離はない。

5分も走ればついてしまいそうだ。

すると 傍らに置いておいてあった無線機から声があがる。

僕らはツーリングへ出るときに互いの車両からの連絡用にと無線機を利用していた。

今日も互いのそれは準備されている。



  



ホタテマンパパの無線機(僕からの交信):
「 どうしましたか? 」


僕の無線機(ホタテマンパパより交信):
「 天気も良いし 洗車したばかりで車もぴピカピカ 時間もまだ早いんだし ちょっと寄り道して天狗山の頂上までドライブしていかないか 」


僕は勿論異論はなかったが きっと彼女はすぐにでもガラス工房へ向かいたいのではなかろうか・・・・

僕はそうおもって彼女の顔色を伺った。


桜ちゃん:

「 いけぇ〜! 登れ〜! もたもたするなぁ〜♪ 」



天狗山の頂上を指差しながら 彼女が満面の笑顔をむけて僕へと命令する。

僕は一言
「 了解♪ 」と答えて目的地を天狗山頂上へと変更。

今度はホタテマンパパ号の中に置いてあった無線機から声があがる。

ホタテマンパパの無線機(僕からの交信):
「 姫様から許可がおりました これより天狗山頂上のパーキングを目指します。 どうぞ 」





この後は 天狗山頂上パーキングまでのちょっとしたツーリングです。

時折甲子園へ駒を進めることもある小樽北照高校の野球練習場。

ここの そばから山がわへと伸びる脇道へと入れば天狗山頂上まで続くワインディングロードが続いている。


  



森の木立を縫うように走るワインディングロードは気持ちがよい。

後方から追走してくるホタテマンパパ号が急なカーブをクリアするたびミラー越しに見え隠れしていた。


   


決してスピードを出して車を走らせているつもりはない。

実際にコックピット内の速度計を確認しても抵・中速度域しか使っていないのが見てとれる。

小樽の海から吹き上がる優しい潮風に背中を推されつつ さらに山の頂きを目指す車達。

ただ ただ 
右へ 左へ ひらり ひらり とその身を切り返すスポーツカー特有の心地良さが続いていた。

それは助手席に陣取っている彼女でさえも感じているのではなかろうか。

僕が横目でチラリと見た彼女の横顔に、そんな印象をもったことを覚えている。

オープンカーは日差しや街の香りを感じながら走ることが出来る車。

葉ずれの音  土の香り 朝露の輝き。 

あの瞬間 山頂へと続くワインディングロードを駆け抜けてゆく3人と 2台の車たちは、確かに森の息遣いを感じていた・・・。





頂上パーキングへと到着した。

僕らの他には レンタカーナンバーの車が一台いるだけだ。

混雑していなくてのんびりできそうだな。

車からおりて 眼下を望むと小樽の街が一望できる。


   (山頂風景っす)


周囲を見渡すと 鮮やかな緑色の色彩を放つ芝生からそびえ立つスキーリフトの支柱なども目にはいる。

今僕らが立っている場所は 冬になるとその姿と用途を変化させ 白銀のスキー場として使われているのだ。


 には若草が萌え には蝶が舞い 
    
には虫が鳴き にはゲレンデスポーツが楽しめる。


ここは僕のお気に入りの場所。

特に何処へゆくあても無いときなど 一人でもちょくちょく足を運んでいるくらいです。






小樽天狗山の山頂パーキング横には 天狗山スライダーという乗り物アトラクションがあった。


   


パパさんも 自分も 乗り物系には目がない・・・(笑)


彼女から
「 子どもじゃあるまいし まさか乗りたいとか言わないわよね 」の問いが飛ぶ。


パパさん:
「 チッチッチッ 女子供にゃ判らない世界さ。 お前みたいな” お子ちゃま ”はキティちゃんでも抱っこして待ってろ。 」


桜ちゃん:
「 もう馬鹿にしてぇ〜 キティちゃんなんて持ってないもん! (プチ怒) 」


そういって頬っぺたを膨らませてみせる彼女の手提げバッグには
ミッフィーちゃんのお人形が5つもぶら下がっている。

たいして変わらんだろうが・・・・(^^ ;)


ホタテマンパパ:
「 それにな この車両を見てしまったからには 
  俺達は乗らないわけにはいかねぇんだよ 
S・A・G・A 性(さが)♪って奴だ 」


そういってパパさんが指さす先にはこんな物が・・・・(笑)



    


ん〜 これは乗っておかないとまずいですな 納得です
(^ ^)b

結局は彼女もこれに乗った。

しかも 乗ってみれば一番喜んでいたのは彼女だった。

さっきは 子どもの乗り物だみたいに馬鹿にしていたくせに一番
キャーキャー喜んじゃってます 本当にもう。

あぁ 
女とは なんて身勝手な生き物なのだろう と再認識する瞬間です。


   ■※実走する動画も配信中です。こちらからチェックしてみてちょ※■
   ( ウィンドウズメディアプレイヤー9で閲覧できます )


桜ちゃん:

「 これ 2人乗りで楽しんでも面白そうね 」



僕は小さなスライダーの上で 前が彼女、僕が後ろな状態。

そんでもって彼女を背後から抱きかかえるような姿勢で乗車する光景を想像する・・・。


「 きゃ〜 こわぁ〜い♪ 」とか楽しい悲鳴とか聞こえちゃうかもぉ・・・・。


それにスキンシップするなってほうが無理な乗車体勢だしなぁ・・・。

抱きかかえるような・・・ような・・・ような・・・
   スキンシップ・・・ シップ・・・ シップップ・・・・・。


あぁ 
女とは なんて魅力的な生き物なのだろう と再認識する瞬間だ。

おいおい 僕もかなり身勝手じゃん(爆)





” スライダー遊び ”を終えてからは、近くにあった自動販売機で缶コーヒーを買い込みベンチに腰掛ける。

自宅から10分も車を走らせればこういう場所にこられるのだから有難い。

しばし のんびり談笑です。


・・・・っと急に彼女が歓声をあげた。


桜ちゃん:
「 あっ! リスよ! 見てみてぇ♪ 可愛いぃ 」


彼女に促されて数メートル先の草むらを凝視してみる。


僕:

「 ん? お前それは 
ミッキ−だろが 」


桜ちゃん:

「 ミッキ−って? 」



僕:
「 ねずみってことさ 」


桜ちゃん:
 え〜! #$#w%$%# !  
   
 退治しろぉ   うわっ 
      こっちむかってきたぁ 
     キャー  あっち行けぇ〜!
         えい えい シッ シッ ! 」



お お オメェ 5秒前まで 可愛いって言ってただろうがぁ(笑)

なにも 石まで投げつけんでも・・・・ 

僕も好かれているうちは
” 格好いい♪ ”とか言ってもらえているけれど、嫌われたら石投げられるんだろうか・・・ 

ちょっと心配になってきたぞ・・・ 
(^^;) 大丈夫か・・・ おいら・・・。

慌てて逃げ去ってゆく ミッキーちゃんの後ろ姿に一抹の不安を重ねて見送ってみる。

GOOD BYE ミッキー♪ お互い頑張ろうぜ (^^;)





そんなこんなで ここでも僕らは楽しい時間をすごしました。

とはいえ ここでいつまでものんびりしているわけにもいかない。

すでに缶コーヒーの中身も空になっている。

そろそろガラス工房へむかわなければ間に合わなくなるかも・・・。

僕らは山をおりる準備にとりかかった。





天狗山の麓にあるガラス工房は 頂上との間を往復するロープウェーの乗り場の目の前にある。

ここでホタテマンパパから提案がでた。

地元に長く暮らしていても なかなか天狗山ロープウェーに乗る機会もないものだ、今日は思い切って麓まで乗ってみないかとのこと。

頂上がわの乗り場は僕らの目と鼻の先にある。


ホタテマンパパ:
「 どうだお前ら どうせ乗るなら一人で乗ってもつまらないし いい機会だと思うんだが 」


桜ちゃん:
「 パパ それはナイスな提案だわ 」


そう言い残すと彼女はさっさとチケット売り場へ向かって駆け出してゆく。

おいおい 僕の意見は出番なしかい・・・ (^^;) 

まぁ ちゃんと意見きいてもらえたとしても
「 乗りたい 」と答えたと思うけれどね(苦笑)

ホタテマンパパは 僕の意見も聞かずにさっさと僕らを置いていってしまった娘の背中と僕を交互にみながら バツが悪そうにしている。

彼女に置いていかれた男二人、 とぼとぼとチケット売り場へと歩く。

すると既に売り場前へと到達していた彼女が振り向き大きな声でこういった。


桜ちゃん:

「 パパァ〜 チケット代払ってくれるのぉ? 」



パパさん:
 ( 本当 ちゃっかりしてんなぁ〜 :笑 )


パパさんは両手で大きな丸を作ってみせて答えたあとで ぼくへと向き直りこういった。


パパさん:
「 ふつつかな娘ですが どうか今後ともよろしくお願いいたします( 目がマジです )」


僕:
「 いやはや お父さん そんな そんな こちらこそよろしくお願いいたします( ぺこぺこ ) 」



   


乗車の際には 割引券をお忘れなくぅ〜 \(^ ^ ) 小樽運河プラザとかに置いてますよ





 つづく・・・





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